道路交通法の改正により、車が自転車等の右側を通過する際の交通ルールが新設され、令和8年4月1 日より施行されます。そこで今回は、新設された自転車保護のための交通ルールの内容と自転車との事故を防止するための危険予測のポイントについてまとめました。
新設された交通ルールの内容
◆自転車等の側方通過時の安全確保措置
自転車等(特定小型原動機付自転車及び軽車両をい い、自転車は軽車両に含まれます)との接触事故を防止するため、車は同一方向に進行している自転車等の右側を通過する際、自転車等との間に十分な間隔がないときは、その間隔に応じた安全な速度で進行しなければならないことが義務づけられました。
これに違反すると、「歩行者等側方安全通過義務違反」となります。 なお、法令では、自転車等との間の十分な間隔、および間隔に応じた安全な速度について具体的な明示はなされていませんが、側方通過時の接触事故を防止するには、十分な間隔を「1.5メートル以上」、安全な速度を「徐行」(おおむね時速10キロ以下)と考えるのが望ましいでしょう。
◆妨害運転に関わる特定違反の対象
自転車等の側方通過時に上記の違反をし、その行為が交通の危険を生じさせるおそれがある場合は、「妨害運転」が適用される特定の違反行為となり(下表参照)、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、違反 点数は25点(欠格期間2年の免許取消し)という非常 に重い処分を受けることになります。自転車等はわずかな接触でも転倒して、重大な人身事故につながるおそれがあるため、その側方を通過するときは十分な慎重さが求められます。



自転車に対する危険予測のポイント
◆単路では進路変更を予測する
車道の左端を走行する自転車は、前方に駐車車両などの障害物があるときや、道路の反対側にあるコンビニや病院、 脇道へ入る場合などに、進路を変更することがあります。自転車に乗っている人が進路を変更する際には、多くの場合、後方を振り向いて安全確認を行いますが、高齢者は加齢などにより後方を振り向く動作が難しく、そのまま進路変更することがあります。そのような可能性もしっかり念頭に置いて運転しましょう。

◆交差点左折時は同じ方向からの横断を予測する
交差点で左折するとき、同じ方向から進行してくる自転車は死角に入りやすく、見落とすことで衝突するおそれがあります(右図参照)。
交差点に接近するときは、車道の左端や歩道を走行する自転車がいないかをあらかじめ確認し、その横断を予測しておきましょう。なお、交差点の右左折する際は徐行が義務づけられているため、必ず速度を落として横断する自転車の有無を確認する必要があります。
◆生活道路での飛び出しを予測する
生活道路には見通しの悪い場所が多く、そこから自転車が飛び出してくることがあります。路面の丁字路や十字路の標示にもよく目を配り、小さな交差点を見逃さないようにするとともに、自転車の飛び出しを予測して速度を十分に抑えて走行しましょう。
また、一時停止の標識や標示のある場所では一時停止して左右の安全確認をする必要がありますが、そうでない場所でも左右の見通しがきかない場合には徐行が義務づけられているため、必ず徐行しましょう。
◆歩道を横切るときは自転車の進行を予測する
自転車は、13歳未満や70歳以上または一定の身体障害を有する人を除き、車道通行が原則ですが、実際には歩道を通行する自転車も少なくありません。したがって、コンビニやガソリンスタンドなどの道路外施設に出入りするために歩道を横切るときは、その手前で一時停止し(この一時停止は法令で義務づけられています)、自転車の有無を確認する必要があります。
相手が自転車の場合は、たとえ衝突しなくても、急停止による転倒でけがをさせてしまうおそれがあるため、十分に注意しましょう。


(2026年3月20日時点で公布されている法令に基づき制作しています。)